令和元年度事業報告(要旨)
※概況については、その要旨を記載し、次に、主な事業の実施状況について、項目を列挙するとともに、必要に応じてその要旨を記載している。
  • 【概 況】
  • 令和元年12月末現在、全指連会員の教習所数は1,258校で前年末より4所減少(閉校6所)し、ピーク時であった平成3年(1,477所)と比べ、219所(約14.8%)の減となっている。
    また、令和元年中の会員教習所卒業生は150万3,199人で、二輪卒業生の増加により前年と比べ3,621人の増加となったが、ピーク時であった平成2年(261万2,961人)と比べると約110万9,700人(約42%)の減となっている。
  • 【初心運転者の事故率(単位:%)】(警察庁資料から作成。)
    元年30年29年28年27年26年25年24年23年22年
    普通免許取得者0.660.780.890.931.011.071.121.141.211.28
    普通二輪免許取得者0.650.730.830.920.950.971.101.101.141.21
  • 【主な事業の実施状況】
  • 第1 教習水準の向上
    1. 全国学科教習競技大会の開催等
      • (1)
      • 第11回全国指定自動車教習所学科教習競技大会の開催
      • (2)
      • 「第19回全国自動車教習所教習指導員安全運転競技大会」の後援
    2. 障害者教習指導員研修、高齢運転者支援指導員研修及び高速教習指導員研修の実施
    3. 高齢者講習に係る補充教育制度の効果的な運用の促進
      円滑な高齢者講習の実施及び水準の高い高齢者講習指導員の養成等を目指した「高齢者講習における原動機付自転車実車指導要領」(平成25年5月31日付け、全指連発第70号)に基づき、各都道府県協会の主催による補充教育(普通自動車の高齢者講習指導員に対する原付車使用による高齢者講習指導員の資格付与に係る補充教育)を引き続き推進した。(実施:2県協会 受講者32名)
    4. 管理者等による適切な管理
      新任管理者研修の実施、設置者及び管理者の研修会等への出席(講演など)
    5. 各種教本等の作成・発行
      指定自動車教習所業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン、高齢者講習の実務必携 四訂版、助成・優遇制度活用ハンドブック(令和元年度版)など
    6. 自動車安全運転センター安全運転中央研修所との緊密な連携
      • (1)
      • 高速教習指導員研修実施の委託
      • (2)
      • 研修所教官候補者の推薦
      • (3)
      • 新任運転適性指導員課程入所者等に対する助成制度の運用
  • 第2 教習所の事業発展のための施策の推進
    1. 教習所の事業の「創造的な発展」に向けた取組等
      • (1)
      • ブラッシュアップ講習の発展・定着に向けた取組
        ブラッシュアップ講習(運用開始:平成29年9月20日)の発展・定着に向け、各種問合せ等に対する説明・広報を積極的に実施したほか、講習担当者研修会を開催した。
      • (2)
      • 外国人の増加に対応した教習所のあり方に関する調査研究
        外国人の就労拡大等、外国人に関する社会環境等の変化を踏まえ、外国人に対応する教習実態の把握を行うとともに、今後における課題及び対策等、外国人の増加に的確に対応した教習所の在り方に関する調査研究を行い、報告書を取りまとめた。
    2. 長期ビジョン研究会の活動
      • (1)
      • 第13次長期ビジョン研究会による発表会
        令和元年11月20日(水) TFTホールにおいて発表会を行った。
        「創意工夫を凝らして積極的に未来を描く。」
        ~現場を探求し続ける力が、人を発見者にする~
        をメインテーマとして、各班が以下の内容について研究成果を発表した。
        第1班~「自動車運転混在時代(過渡期)を生きる人への指定自動車教習所の安全教育」
        第2班~「高度情報化社会における『自動車教習所で取得可能なデータ活用』の可能性」
        第3班~「高齢者講習制度と持続可能な教習所経営」
        第4班~「教習原簿のデジタル化による生産性向上」
          (発表会の模様の動画を公開中)
      • (2)
      • 第14次長期ビジョン研究会による調査研究
        令和元年度から2年計画で調査研究を実施中である。
    3. 高齢運転者の交通事故防止に関する制度改正に対する対応
      • (1)
      • 「高齢運転者交通事故防止対策に関する提言」(平成29年6月30日)を受けた警察庁の分科会への参画
      • (2)
      • 自民党・政策懇談会等に対する対応
    4. 高齢運転者交通事故防止対策等に関する警察庁との意見交換会
      • (1)
      • 高齢運転者交通事故防止対策に関する意見交換会
      • (2)
      • 全指連からの要望についての意見交換会
    5. 高齢運転者の安全運転支援等についての取組
      • (1)
      • 高齢運転者の運転時認知障害の早期発見事業の推進
        全指連、各都道府県協会及び会員教習所が一体となり、「NPO法人高齢者安全運転支援研究会」と連携を図りながら、取組を推進した。
      • 事業名
        高齢運転者の運転時認知障害の早期発見事業(いわゆる「もの忘れチェック」)
        (一般社団法人 日本損害保険協会自賠責運用益拠出事業)
      • 実施要領の制定
        平成30年4月19日付け「高齢運転者の運転時認知障害の早期発見事業実施要領」
      • 担当者研修会の開催
        ・第1回 平成31年4月17日(水)(青森 秋田 山形 長野 山口 長崎 鹿児島)
        ・第2回 平成31年4月18日(木)(岩手 富山 奈良 和歌山 熊本 大分 宮崎)
        ・第3回 平成31年4月19日(金)(山梨 石川 滋賀 京都 香川 愛媛)
      • 年度内の実施状況 計5,749名
        〔内訳〕
        • (ア)
        • 70歳以上75歳未満の高齢運転者
        • 4,648名
        • (イ)
        • 高齢運転者(前記(ア)に掲げる者を除く。)
        • 876名
          • ・65歳以上70歳未満の高齢運転者
          • 403名
          • ・75歳以上の高齢運転者
          • 473名
        • (ウ)
        • その他の運転者(前記(ア)及び(イ)に掲げる者を除く。)
        • 225名
        (本事業を通じて都道府県警察運転適性相談窓口に紹介した受検者数:12名)
      • (2)
      • 高齢運転者支援小委員会における検討
        指定自動車教習所における高齢運転者等に対する安全運転支援の効果的な展開を目指し、幅広い見地から検討するとともに、警察庁において検討されている新たな高齢者講習制度等に関する検討を行った。
      • (3)
      • 高齢運転者支援士等の認定試験の実施
        高齢運転者支援士認定委員会(委員長:蓮花一己 帝塚山大学学長)において、平成30年11月19日、高齢運転者支援士認定要綱の改正を行ったところ、同改正要綱に基づき、高齢運転者支援士3名を初めて認定したほか、14名の高齢運転者支援士補の認定を行った。
        (認定実績)
        • ・高齢運転者支援士
        • 認定申請3名中3名を認定
        • ・高齢運転者支援士補
        • 令和元年10月25日に第7回認定試験を実施
          受験者20名のうち14名を認定
    6. 障害者に関する取組
      • (1)
      • 発達障害者教習支援指導担当者研修会の実施
        平成29年4月に作成した『発達障害者の教習支援マニュアル』を効果的に活用し、発達障害者の教習支援が全国的に展開されることを目指し、教習指導員等実務担当者を対象とした実践的な研修を実施した。
      • (2)
      • 高次脳機能障害者の運転再開支援に関する取組
        「高次脳機能障害を有する運転免許保有者の運転再開に関する調査研究委員会」(委員長:三村 將 慶応義塾大学病院副病院長、同大学医学部精神・神経科学教室主任教授)が平成30年度に取りまとめた『高次脳機能障害を有する運転免許保有者の運転再開に関する調査研究報告書』(平成31年3月)を踏まえ、(一社)日本作業療法士協会と連携しつつ、会員教習所の管理者、教習指導員等による高次脳機能障害者の運転再開支援の取組に資するマニュアル(『教習所職員のための高次脳機能障害支援マニュアル』)を作成した。
        なお、医師、作業療法士や教習所指導員等が参加する第4回日本安全運転・医療研究会に出席(令和元年12月13日、福井県福井県民ホール)し、同研究会との効果的な連携を図った。
    7. 教習調査研究小委員会における検討
      令和元年度は2回開催し、今後、学科教習カリキュラムの見直しを図るための調査研究を行う予定である。
    8. 働き方改革実現に向けた取組
      • (1)
      • 「指定自動車教習所業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン」に基づく取組
        平成31年3月26日に「指定自動車教習所業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン」を公表し、4月1日から、アクションプランに基づき、全指連、都道府県協会及び指定自動車教習所が一体となって取組を推進した。
        また、4月19日、アクションプランに記載された事項について解説した「解説編」及び政府が公表している参考資料などを収録した「資料編」からなる冊子『指定自動車教習所業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン』を発行し、会員教習所に配付した。
      • (2)
      • 全国高等学校長協会等に対する要望
        平成31年4月11日~18日、繁忙期における教習所職員の長時間労働の是正のために、全国高等学校長協会をはじめ、全国普通科高等学校長会、全国工業高等学校長協会、全国商業高等学校長協会、全国農業高等学校長協会及び日本私立中学高等学校連合会に対し、要望書を提出して、入所者数の平準化について理解と協力を求める要望を行った。
      • (3)
      • 全国自動車教習所エージェント協会に対する要望
        平成31年4月22日に開催された全国合宿教習所協議会において、全国自動車教習所エージェント協会に対し、要望書を提出して、繁忙期における教習指導員等の長時間労働の縮減や適切な料金設定などについて理解と協力を求める要望を行った。
      • (4)
      • 都道府県協会の研修会における講演
        令和元年11月22日に開催された栃木県協会設置者管理者等研修会において、専務理事が、「指定自動車教習所業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン」の運用等について講演した。
    9. 「指定自動車教習所を応援する議員連盟」との連携等
      第5回会議の開催
    10. 「指定自動車教習所を応援する議員連盟」の3つの決議文の内容を踏まえた取組の推進
      • (1)
      • 入所者数の平準化に向けた取組
      • 広報活動の推進
        平成30年5月から引き続き、全指連ホームページにおいて、「教習所は12月~3月の間、特に混み合います。余裕をもって教習を受けるため、教習所への入校はお早めに! 高齢者講習の予約もお早めにお願いいたします。」というメッセージを掲載した。
      • 要望活動の推進
        平成30年9月、文部科学省から各都道府県教育委員会等にあてて、高等学校等における生徒の運転免許の取得に係る留意事項等についての文書が発出されたことから、平成31年4月の全国高等学校長協会等に対する要望等において、この文書の発出を生かした取組を推進した。
      • 働き方改革の推進
      • ベストプラクティスの周知とPDCA
      • (2)
      • 高齢者講習の円滑な実施に向けた取組
      • (3)
      • 過度な価格競争に陥らないための措置
      • (4)
      • 税の負担軽減措置
        平成31年2月、経営委員会及び税制対策・経営支援調査研究小委員会での審議を経て、当面の税制上の課題として、「固定資産税の負担軽減」及び「教習用貨物自動車の取得に係る特別償却・税額控除」を2つの柱とする「指定自動車教習所における税制上の課題について」を決定した。
        これら課題の検討の基礎資料とするため、同年3月、指定自動車教習所における固定資産税の課税実態等について調査を行った。
      • (5)
      • 教習内容、教習指導員及び技能検定員資格等の制度の見直し等
      • 教習方法の見直し
        平成31年4月8日、指定自動車教習所の教習の標準が一部改正され、平成30年7月に警察庁との意見交換会で行った要望のうち、次の教習方法の一部変更が認められた。
      • 大型二輪免許と普通二輪免許の教習生を混在させた集団教習を行うことができることとされた。
      • 高速教習において、50キロメートル毎時以下の交通規制が実施されている場合でも自動車による教習を行うことができることとされた。
      • 教習指導員(普通)課程の創設
        安全運転中央研修所の課程を修了することにより、公安委員会の審査を受けることなく教習指導員資格を取得できるようにしてもらいたいという会員教習所の要望を受け、警察庁、自動車安全運転センター等と協議を重ねた結果、道路交通法第99条の3第4項第1号ロの規定に基づく教習指導員(普通)課程が創設され、令和元年12月27日国家公安委員会告示第51号により指定された。
        同課程は、1回当たり21日間33名で、年間10回計330名で、令和2年5月から入所が開始されることとなった。
      • (6)
      • 行政手続きコスト削減に向けた取組
      • (7)
      • 災害時の避難場所としての活用に向けた取組
        令和元年決議文において、指定自動車教習所の災害時の避難場所としての活用に向けた取組に努めることが盛り込まれたことから、津波避難施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、制度の概要を紹介した。
    11. 職業運転者に必要な免許制度の在り方に関する調査研究(警察庁)への参画
    12. 行政手続きコスト削減並びに手数料と委託料の乖離是正に向けた取組
      • (1)
      • 行政手続きコスト削減に向けた取組
        平成31年2月、警察庁運転免許課長から各都道府県警察に対し、引き続き、各都道府県協会と協議し、各都道府県の実情に応じた行政手続きコスト削減に向けた取組を積極的に進めること、とりわけ、旧通達において示されていた事項等について未だ取組が進んでいない都道府県警察にあっては、十分な検討を行い、その改善を図ることを指示する通達が発出されたことから、この通達を生かした取組を推進した。
        令和元年11月、都道府県協会に対し、令和元年(平成31年)における都道府県警察との協議の結果により行政手続きコストの削減を実現した事項について調査を行い、その結果を取りまとめて都道府県協会に配付し、情報を共有した。都道府県協会にあっては、他の都道府県協会における取組の成果を参考にしつつ、各都道府県の実情を踏まえながら、行政手続きコスト削減に向けた更なる取組を推進した。
      • (2)
      • 手数料と委託料の乖離是正に関する取組の推進
      • 高齢者講習等に関する取組
        令和元年10月1日に消費税率が10%に引き上げられるなどの情勢を踏まえ、引き続き、高齢者講習等の手数料と委託料との乖離是正に向けた取組を積極的に推進した。
      • 仮免許交付業務等に関する取組
        仮免許交付業務等に関する委託契約での手数料と委託料の実態把握を行うなどにより、手数料との乖離是正に向けた取組を積極的に推進した。
    13. 情報誌「ギア・チェンジ(vol.3)」の発刊
  • 第3 教習所の適切な経営の管理
    1. 指定自動車教習所公正取引協議会(指公協)との連携
    2. 消費者保護対策の推進
      • (1)
      • 消費者生活相談への対応及び「消費者契約に関する暫定的な自主行動基準」の周知
      • (2)
      • 認定個人情報保護団体としての適正な個人情報保護の推進
    3. 「消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する取決め」に基づく取組の推進
      • (1)
      • 広報素材の作成
      • (2)
      • 『消費税の転嫁・表示カルテルに関する説明とQ&A(改訂版)』の発行
      • (3)
      • 実施要領に基づく措置の実施
    4. 教習ローン制度の活用
    5. 教習所対象各種保険事業の推進
      • (1)
      • 教習所業務実施中の事故に対する保険
      • (2)
      • 教習所職員用保険
    6. 助成・優遇制度の活用の促進
      • (1)
      • 税制や助成金等の制度及び施策に関する調査研究・情報発信
      • (2)
      • 中小企業資金繰り対策
      • (3)
      • 生産性向上要件証明書の発行に関する取組
    7. 新型コロナウイルス感染症に対する対応
      全国的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症に関して、全指連では、令和2年2月以降教習所の感染予防対策に資する各種資料及び免許の更新や教習・講習ができない事態等に対応するための警察庁の措置等について、迅速・適切な情報提供等に努めた。
    8. 災害被害を受けた教習所に対する見舞金の贈呈等
      • (1)
      • 義援金に関する取組
        「九州北部豪雨」(令和元年8月)、「台風15号」(同年9月)及び「台風19号」(同年10月)の被害に対する義援金を募り、これを配分した。
      • (2)
      • 見舞金の贈呈
        災害による被害を受けた会員教習所に対して、「台風・地震等災害見舞金基準」に基づき、見舞金を贈呈した。
  • 第4 交通安全教育その他公益活動の推進
    1. 交通安全関係機関・団体との連携による活動
    2. 地域における交通安全教育センターとしての活動
    3. 交通安全教育に関する研究会、講演会等への参加
  • 第5 全指連組織の適切な運営
    1. コンプライアンスの徹底等
    2. 各種情報の提供・伝達システムの効果的な運用
    3. 指定自動車教習所の広報等
      • (1)
      • 指定自動車教習所広報月間(6月)の効果的な実施
      • (2)
      • 指定自動車教習所シンボルマークの普及
      • (3)
      • 全指連ホームページの機能拡張等による効果的な広報
    4. 機関誌『自動車学校』の充実と無償配布
    5. IT化の推進
      • (1)
      • 「IT推進小委員会」の設置による具体的な取組の推進
      • (2)
      • 実態調査自動集計システムの有効な活用
      • (3)
      • 「指定自動車教習所検索ポータルサイト」の効果的な運用
        運転免許取得に関する情報のほか、高齢者講習、障害者教習、外国語教習、企業研修等を含めた情報を一元的に掌握し、顧客に対する情報を迅速・的確に提供するポータルサイトの効果的な運用を推進した。
        なお、本ポータルサイト利用者の利便性の向上等を図るため、高齢者講習、障害者教習及び外国語教習に関し、全指連会員教習所の全てを対象とした検索機能の拡大を行った。
    6. 全指連の安定した財務基盤の確立に向けた継続した取組
    7. 第52回指定自動車教習所全国大会の開催
      〇 日時・場所 令和元年11月20日(水) 於 TFT(東京ファッションタウン)ホール
    8. 各種会議の適時適切な開催